「女性」と「とりわさ」の関係について考えていたら、強制断食生活が始まった話
始まりは斉藤和義と焼き鳥屋
先週の火曜日のことだった。
僕はある女性と新宿3丁目の某焼き鳥屋さんにいた。
ここにもちょくちょく書いていた高校時代の元カノだ。
今年の初めに成人式があって、その前日に高校の同窓会があって、斉藤和義よろしく再会したわけだ。
その時に「LINEの口約束」で「飲みに行こう」となっていたのだが、大学の期末テストの時期が重なったり、僕の渡米やあちらさんの体調不良によって、結局約束から2か月経った先週、ようやく飲みに行ったのである。
焼き鳥はめちゃめちゃうまかった。なにしろチェーン店ではないのだ。
コースで出てくる6本の他に、「煮込み」と「とりわさ」を頼んだ。
もともと少食な彼女も、この「とりわさ」はだいぶ気に入ったようで、「おいしいおいしい」と言いながら食べ尽くしてしまった。もちろん、僕はその光景を肴にして酒を飲んだ。
その時に何を話したかはまた別の機会に書くとして。
その日の夜、僕はとある体の異常に気がついた。
腹が減っているのである。
ある程度飲んで、食べて、満腹気分で帰ってきた。
いくらちょっと遠い街に住んでいるからといって、さすがに2時間で腹が減るほど消化が早かった覚えはない。軽くつまんで寝た。
居酒屋だけの意気込みじゃゴミだ。とMOROHAは歌う。
今度は後輩と新宿のとある有名な串焼き屋にいた。とにかく料理が安かったことを覚えている。ここに書いたことはないが、彼はマスコミ志望の頑張り屋である。「言葉」というものが好きな僕は、彼といろいろしゃべって、夢について語って、気持ち良く飲んで、もりもり食べた。
好きなラジオ番組が終わり、動揺したこと。
もう一つ夢を掴むために、新しいバイトを始めたこと。
若い彼(といっても1歳しか変わらない)が話すことに頷き、時には反論を返す。
投げかける僕の言葉は、同時に僕の背中も押していた。
酔っ払い二人は新宿駅東口でお互いの肩を抱き、家路についた。
が、やはり僕は寝る頃になって「あれ?もしかしたら腹が減ってる?」となった。
水曜日のことである。
迫るTOTO。あるいはINAX
そして、木曜日。
特に予定はなかった。
するとどうだ。消化管の調子がちょっとおかしい。
もともと腸が強い方ではない僕は、何の疑問もなく、
「季節の変わり目だからかな〜?」とのんきな気分であった。いやのんきではなかった。鬱ではあった。
ストレスかな?
そんな風に思っていた時期が僕にもありました。
まさかこのネット世界の慣用句をこんなに真っ当に使う日が来るとは思わなかった。
始まりも終わりも、とりわさが連れてくる。 おなじ話。
そして、金曜日の夕方。
僕は四ツ谷の焼き鳥屋にいた。
「…今日はちょっと酒はいいや」
ハイボールを一杯だけ注文して、僕はそう確信した。
その日の昼のうちから、腸の調子が崩れていたのである。
焼き鳥屋の時点で、胃もやられていた。
「エイヒレうめぇ〜」なんてツイートしてる場合ではなかった。焼き鳥屋に行ったのに、乾物しか食べられない事態だったのである。僕はひたすら、いい感じの湯のみに入った緑茶を飲んでいた。
待ち合わせの女性は、ちょっと遅れてくるようだ。
こんなLINEが来た。
「先店行ってて!」
もういるよ。
「私とりわさね!」
とりわさ。
また、「とりわさ」。
とりのささみを霜降りにして、わさび醤油で食べるとりわさ。
一体、女性はなぜそう「とりわさ」を食べたがるのか。
「とりわさ」に一体なにがあるのか。結局「とりわさ」を一口も食べることがないままに、僕は女性ととりわさの関係について深く考える羽目になったのである。
そして、その日の晩。
僕は、日が昇るまで自宅のトイレから出ることはなかった。
とりわさと女性について悩みすぎたわけではない。
腹痛が止まらなかったのである。
はじめての断食。はじめての痔。
翌日から断食生活が始まった。
胃痛と腸の痛みで、物を食べても体力を消耗するだけだったからである。
僕はたまたま買ってあった、果実と海のミネラル成分の働きで水分と自然由来の栄養がおいしく補給できる体にやさしい水分補給飲料「グリーンダカラ」と、旬のライチがおいしい「ソルティライチ」でこの土日をしのいでいたのである。
母親に応援を依頼し、ウイダーのinゼリーや、トップバリュのぱちもんなどでカロリーとビタミンを補給したりもした。
結果から話す。
体重は4kg落ちた。
あと、肛門に門番が雇用されていた。新顔である。
痛みは、もはや感じない。ただただ、自分の体から発せられる信号に反応し、トイレに向かうだけだ。
そのペース、1時間に5回。
こんな週末、はじめて!
と、LCCのキャッチコピーのように書いてみると新鮮だ。僕の苦痛がグアム旅行のように聞こえる。
この症状の原因はまだわかっていない。病院がオフだったからだ。
というわけで、これから受診してくる。
今、この文章は、もちろんトイレで書いている。
僕が断食の果てにナガ・サドゥになる決心をするのか、はたまた東京のコンクリートに囲まれた帝王になろうと再び道を歩き始めるのかは、君の目で確かめてくれ!
以上だ!