飛ばせないYouTube広告 - SEIKO Art of Time/SUUMO 最後の上映会
サンフランシスコ最後の日に、同じ宿だった人に「YouTubeって楽しいよね。」という名言をいただいた0024です。
今日も今日とて動画を漁っていたら、こんなYouTube広告を見ました。
SEIKO ブランド・ミュージックビデオ "Art of Time"
これは飛ばせない!
みようと思っていた動画の視聴をやめて、思わずいろいろ調べてしまいました。
広告がコンテンツに勝つって、結構すごいことだと思います。
時計の作り手×映像の作り手
セイコーホールディングス株式会社(代表取締役会長 兼 グループCEO : 服部真二、本社:東京都港区、以下「セイコー」)は、グループスローガン「時代とハートを動かすSEIKO」をテーマとしたブランド・ミュージックビデオ"Art of Time"を、3月14日(月)より、YouTube(セイコー公式チャンネル)にて公開します。この動画では、機械式腕時計のパーツで創り上げられた精密な舞台装置と、セイコーの時計職人が操る繊細な指先の連携プレーにより、ルーブゴールドバーグマシン(※)が輝きを放ち動いていきます。驚きは、最小サイズ0.7mmの腕時計のパーツや、1200のパーツから成る街並みの造形美やユニークな仕掛けの数々。
(※)いくつもの仕掛けを連鎖的に作動させ、最終的に何らかの作業を実行する装置。
音楽は、弊社グループCEO 服部自らが作曲した楽曲に社員から集めた歌詞を散りばめ、アーティストやくしまるえつこさんが歌唱。企業PRの動画に社員が参加するのは良く見かけますが、代表・社員が曲作りや動画制作に参加するという、ほかとは一線を画したセイコーらしい新しいブランド・コミュニケーションです。
作曲:CEO
作詞:社員
うた:やくしまるえつこ
CEOすげえ!!!!!!
ルーブゴールドバーグマシン(いわゆるピタゴラ装置)の作りのすごさに目が行きがちですが、他にもいろいろ「作り手のこだわり」がかいま見える素晴らしいPR。
例えば、装置全体を照らすプリズム光。
これが装置の金属に反射することによって、画面全体に気品と幻想感を同時に醸し出すという効果を発揮しています。
また、この装置に欠かせない要素である「時計職人」の「手先」。
繊細な動きに、真剣な表情が見て取れます。一切顔は映っていないのに伝わるのは何故なんでしょうね。
他にも、エンドロールのcastが「制作スタッフ」ではなく「パーツ名」なところや、その横で流れるNG集など、映像の作り手のこだわり×時計の作り手のこだわりが随所に見て取れるいい作品でした。
ちなみに、公式ページの一番下に装置の引きの画があるのもなかなか良いです。ぜひご覧あれ。
20数年間が見える1分間
もう一つ、紹介させてください。SEIKOを見て、「そういえば前にも飛ばせない広告があったな」と思い出したものです。
さすがは、リクルート。
2年くらい前の、「すべての人生が、すばらしい」でもそう思ったけど、「日本人の人生」というものを捉えることにおいてはこの会社はずば抜けているな、と思います。
こんなに「わかる!!!!!」ってなるCM、なかなかお目にかかれないでしょう。
なごり雪と、ピエール瀧さんのナレーションと、森川葵さんの表情、そして、日本の都会のはずれの風景。バッチリすぎる。
地方の実家ぐらしで来年から3年の僕ですら、「よし、新生活頑張ろう」ってなるもの。
最後の、「さあ、頑張れ。」に勇気をもらった人も多いのではないでしょうか。
飛ばせないYouTube広告たち
他にも、auのあれとかいろいろ紹介したいものはあるのですが。
とにかく、最近、いいCMが増えてきているようなそんな気がします。
消費者の趣味嗜好が多様化してその行動が読めなくなってきているこの世の中で、こうも「誰もが納得できる」作品づくりができるのか!と感心してしまう毎日です(YouTubeの見過ぎかもね)。
企業と消費者は決して遠い存在ではない、ということを認識させてくれる上に、本来見ようと思っていた動画の存在を忘れさせてしまうものすごいCMたちの紹介でした。おしまい。