DRILLOOOON!!!!

だいたい1000字くらいで20歳の夏の思い出を書き溜めます。

世の中、ずるいやつばかり。

遠いあなたへ

毎日いろんなことが起きるから、俺は自分の生活を掴みきれずにいます。

誰かがいなくなって、新たに始まる物語があって、時折頭を抱えます。

誰かと自分の人生が交差する時、お互いが持つ引力に引かれあってちょっとずつ軌道が変わっていく。まるで小惑星のすれ違いのような毎日を過ごしています。

 

そうやっていろんなことが過ぎ去って、終わっていきます。

 

遠くで頑張ってるあなたにはまだ聞こえないかもしれないけれど、ちょっとずつみんなは変わっていっています。あなたが好きなクラシックのように、楽譜のページをめくるたび、少しずつみんなの人生は変わっていっています。

 

ある人がこんな話をしてくれました。

 

「来月から留学に行くことにした」

「大学にもう1年いることにした」

 

まるであなたの言葉のようでした。その選択の重さを俺は知っています。今まさにその最中で戦っているあなたからしたらなんてことはない言葉なんだろうけど、俺には大変なことのように思えます。自然と心からその人を応援する気持ちになっていました。

 

もっと変わっていることもあります。

とにかく変わろうとして足掻いている奴がいます。

自分には中身がないと思い込んで、いろんな人と「話しに」行って、何かぼんやりとしたものを持ち帰っているやつです。今、あいつの部屋にはどれだけぼんやりとした気持ちが溢れているのか。俺には想像もつきません。それでも多分、あなたが前に会った時よりも、あいつは前に進んでいるんじゃないでしょうか。そうであって欲しいと俺は思います。

 

相変わらずあなたのことを信じている人もいます。

最近あなたからの便りが届かないから、それを心配しているかな、とも思ったのだけれど、どうやらそんなことはなく。いつかあなたが突然帰ってきてもいいように準備をしていました。自分もあなたと同じぐらい進む決心をしていました。

やたらと気をつかいがちなあなたのことだから、こんな風に信じられていることを知ったらきっと連絡してしまうのでしょう。だから直接は伝えません。

 

どうやら、こうやっていろんなことが終わっていくようにできているらしいです。

それでもやっぱり、俺たちは進み続けるしかないようです。

今までもそうやってやってきたみたいに、積み重ねていくことでしか進めないんです。

 

この真っ暗な宇宙で、ただ進んでいる実感だけがある冷たい無の中で偶然出会った俺たちが、お互いに引き寄せられ、また離れていった、ただそれだけのことでした。もう二度と会わないかもしれません。それでも。宇宙に「前」なんてないように、いつかまたどこかで俺たちの「軌道」が交差することがあったなら、その時はよろしく。

 

 

じゃあ、またどこかで。